Moanri’s blog

God only knows what I'd be without you.

はじめに 〜内省と経験〜

 人間と動物の違いとは何か。

 この学期で学んだルソーやカントといった政治哲学者は、この質問から我々人間にとっての理想の社会像を描いていった。例えばルソーは、原来人間は一人で生活する動物的な存在であって、人間同士が関わりをもち社会化することによってルール(言語や法)が誕生した、だからgeneral will(一般意志:全社会が同意するルール)が保たれる少数部族の自然的社会を理想に掲げたといった具合だ。

 私は、人間と動物の違いの一つに、内省/reflectionが挙げられると考えている。ニーチェや西田幾多郎の理論に取り入れられている通り、人間は内省という自分自身やその経験を客観視する能力を、人間と動物の違いと捉えられる。例えば、動物は努力を意識的に出来ないが、人間は自分の能力を相対化することができ、それを補う又は伸ばすことができる。

 なので、私は自分を内省するという力を、このブログで書き物をすることで伸ばそうと目論んでいる。今までは、本を読んだり、人の話を聞いても、何かと吸収するということで終わってしまい、自分の経験にリンクさせたり、振り返りをするということを怠ってきた。それはきっと、自分の面倒ぐさがりな性格に起因しているのだろう(非常に動物的)けど、もう少しこまめに、振り返りを言語化し相対化させても良いのではないかと思い立った。だから、この場所を借りて、経験(読書と形而下)に対する内省を目に見える形で残すことで、ちょっとずつ人間になる試みを始めてみたのだ。